「みんなのうた」と「クロ」
NHKの「みんなのうた」で「クロ」という歌が放送されている。遊佐未森というシンガーソングライターの歌だが(恐縮ながら初めて聞く人だが)、久々に同番組で大人が楽しめる歌だろう。
「クロ」は半ノラ猫のクロとの出会いと別れを描いた歌で、クロとの楽しい生活が描かれるが、ある日突然の別れが訪れる。しかし決して暗い歌ではなく、最後には切ないものの、しっとりとした感じが残る。歌と一緒に流れる絵本調のアニメーションも、歌の内容や雰囲気に良く合っており、近年の「みんなの歌」の中では(子供向けではない歌という意味では)出色の出来ではないだろうか。
「みんなのうた」は子供向けの歌が多いが、そうではない歌も時々入る。また、放送時間帯も平日は昼間のみだが、土日は昼間の放送が少なく、早朝、朝と深夜に放送がある。
今回の放送で惜しいのは、テレビ放送で唯一深夜にあたる日曜深夜の枠に、「クロ」ではなく、同時期に制作された「おじいさんのグラスホッパー」の方が放送されていることである。こちらは歌手に「のっぽさん」を起用した、明らかに受け狙いかつ子供向けの曲であり、内容的にもファンタジックなだけで深みがない。もっと曲の趣向を意識した上で、放送時間を設定ほしい気がする。
ともかく、今後も「みんなのうた」には、このような大人でも楽しめる曲をもっと多く期待したい。「クロ」の放送は、残念ながら1月末で終わってしまうが……。
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