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2016年8月30日 (火)

佐久平地域は地域活性化に成功したのか

 北陸新幹線(旧・長野新幹線)の駅の中で、開通後に特に大きな変化を見せたと言われるのが佐久平駅だろう。新幹線が開業する以前は水田だらけだったところが、わずか数年でショッピングセンターが立ち並ぶ、長野県有数の商業地域に変貌したというのは、国土交通省の新幹線整備関連ページにも取り上げられるなど、有名な話になっている。

 それでは、本当に地域の商業が活性化したのかを、小売業の売上高で検証してみたい。

Photo_3

出所)平成6年、平成9年、平成11年、平成14年、平成16年、平成19年の商業統計より。

注: 各自治体の数値は2007年時点の自治体の範囲で集計。2004年に小県郡東部町と合併して東御市となった旧北御牧村は除外。なお、北佐久郡の数値には軽井沢町を含まない。南佐久郡の数値には内訳が示されていない部分があるため、一部推計値。

 長野新幹線が開通したの1997年10月、佐久平駅付近に大型ショッピングセンターが立ち並ぶようになったのはその頃からだ。実際、佐久市の売場面積は1999年に向けて急激に増加している。
 そして、佐久市の商品売上高も2002年ごろまでは増加している。しかし、1994年と2002年を比較すると、売場面積が約1.67倍に増えたのに対し、商品売上高の伸びは約1.15倍にとどまっている。そして、そこから先は商品売上高は減少に転じている。

 佐久地域全体(軽井沢町を除く)で見てみると、むしろ1997年をピークに一貫して商品売上高は減少を続けていることが分かる。特に、小諸市の下落ぶりが顕著である。つまり、消費する場所が小諸市やその他の周辺地域から佐久平駅周辺に代替されただけで、地域全体として伸びているわけではないことが分かる。

 一方、軽井沢町を見ると、新幹線開業後は順調に伸びていて、グラフの期間(1994年~2007年)で商品売上高が1.8倍に伸びていることが分かる。

 なお、卸売業の統計を見てみるともっと顕著である。

Photo_7

(出所および条件は前掲のグラフと同じ。)

 もともと卸売業は、古くからの都市である小諸市に集まっていたようだが、これは激減している。一方、佐久市はその受け皿になっている訳でもなく、結果的に佐久地域はビジネスの拠点としての位置づけは縮小しつつあるようだ。

 まとめると、

  • 佐久市は佐久平の商業集積が形成されても、商業規模はほぼ横ばいである
  • 小諸市などの周辺地域が低下した分、地域全体としては低下傾向
  • 佐久平駅前の賑わいは、周辺地域の消費がこの地域に移転したものと考えられる
  • 軽井沢町は商業が成長しており、新幹線開業効果があらわれたと考えられる

 という感じだろうか。

 商業商品売上高は地域活性化の状況の一角でしかないが、この数字から判断する限り、見かけほど成功しているわけではないといえよう。特に、外部資本の店舗の割合が急増したことを考えると、商業地としての地位は以前よりも低下してしまったといえるかもしれない。

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